1120うらは色の犬、オン!
うらは色の犬、オン!
鈴川紗以:著 佐藤道明:画
四六判並製 124ページ 定価:本体1,500円+税
ISBN978-4-86261-195-6 C8093
発行:2026年5月

内容
絶体絶命……。
江戸時代の後期、宿屋のうら庭で茶色の犬の若いいのちが消えようとしていた。その瞬間、灰緑色の犬が現れる。
「行くぞ!」
噛みついた一撃で助かった柴犬カンの首輪には、小さな竹筒が結びつけられていた。中にあるのは、手紙と伊勢神宮のおまもり。カンは、庄屋の娘の心の病を治すため、神のおつげで「犬の伊勢参り」をしてきた帰り道だったのだ。
名もない灰緑色の犬は、初めて「助けるよろこび」を知り、カンとことばを交わして友だちになる。やがて彼は「オン」と名を授かり、竹筒に託された約束を果たすため、用心棒として旅に加わる。
宿屋、神社、街道、山道――やさしい人もいれば、そうでない人もいる。それでも二匹は走る。心ふるえる祈りと友情の旅物語。
目次
出合い
柴犬の身のうえ─前─
柴犬の身のうえ─中─
柴犬の身のうえ─後─
雑種犬の身のうえ
『オン』たる名の誕生
凶変
魂の合体
二度目の命名
絶望
うらは色の発見
新生
あとがき
著者プロフィール
■著:鈴川 紗以(すずかわ さい)
作家。和歌山県生まれ。京都大学文学部卒。小説『ルカの麒麟』で、第15回坊っちゃん文学賞(小説部門)大賞を受賞。著書に『ブラック・マリア』(幻冬舎)等がある。
■画:佐藤 道明(さとう みちあき)
画家。手がけた作品に、『ケーキをどうぞ』、『八百屋のすずねえちゃん』、『花のお江戸の蝶の舞』、『令和の旗─「万葉集」誕生ものがたり』、『道元禅師のワンダーランド─ピュアな禅の世界で「本来の面目(まことの自分)」探し』(てらいんく刊)ほか、多数。