1101神がくしの八月
神がくしの八月
さねとうあきら:著 井上洋介:画
定価:本体1,800円+税
A5判 244ページ 上製 ISBN978-4-925108-80-5
発行:2003年6月
対象:小学校中学年~
「はじめの ことば」より
子どもだから といって
戦争は よけてとおらない。
泣こうが わめこうが
だれも 助けてくれない 戦争。
かぼそい手足を つっぱらせ
ありったけの力を ふりしぼって
子どもたちだって 戦ったのだ。
やせこけた ふたつの 腕では
とても ささえきれないほどの
平和の重たさを たしかめた
その日まで……。
内容
1975年に刊行された戦争児童文学の名作を改訂。
戦争をテーマに、創作民話の手法で、時代を超えて語り継がれる人間像を描く三編を収載。
●神がくしの八月
太平洋戦争中、東京から疎開してきた学童・浩子と、村の寺の後継ぎである少年・信昭との交流、脱走兵との出会いをめぐる村人たちの騒ぎを通して、戦争の狂気を描く。
●戦争に出かけたオシラさま
召集令状で一人息子を戦地に送ったお婆と、家の守り神オシラさまの、それからを描く。
●ばんざいじっさま
鉱山の労働現場から脱走した中国人と、日露戦争の元勇士であるじっさまが織りなす奇跡のドラマ。
目次
●神がくしの八月
東京の蛙ーーはじめに/焼けた数珠玉/スパイの子/地蔵谷の穴ぼさつ/
ふたりの脱走兵/おそろしい名案/戦争がおわった/キツネつきの和尚さま――おわりに
●戦争に出かけたオシラさま
●ばんざいじっさま
戦争を知らない 子どもたちへ――初版の あとがき
子どもの戦記・戦争の真実ーー定本のための あとがき