1108みちじいさんの話
みちじいさんの話
戦争中、わしがみっちゃんだったころ
西原通夫:作 稲田善樹:画
A5判 192ページ 上製 定価:1,400円+税
ISBN978-4-86261-120-8
発行:2015年12月
対象:小学校高学年~
内容
* * * * *
戦争中、わしは子どもじゃった。
そのころの話、聞いてくれよな。
* * * * *
戦争中の尾道で、本当にあった物語。
小学五年生のみっちゃんが見た、戦時下の子どもたちとそれを取り巻く人々の日常。
食料や物資が少なくても、死と隣り合わせでも、人々はみなたくましく生きていた……。
舞台は美しい日本遺産の街・尾道(広島県)。
太平洋戦争中、みちじいさんは“みっちゃん”と呼ばれる小学生だった。
戦後70年を迎えた今、みちじいさんがどうしても語っておきたかったこととは……?
空爆はなくても、戦争の影に色濃くおおわれていた尾道の街。
鉛筆一本を買うのにも苦労し、白いご飯をおなかいっぱい食べることも難しかった。
それでも、子どもたちは目の輝きを失わずにたくましく生き、まわりの大人たちも厳しく、温かく、かれらの成長を見守っていた。
「死」が背中合わせにありながらも誰もが懸命に「生」に向き合ったそんな時代のお話。
目次
1部 戦時中の学校で
わしの学校/一升ビンといなご/寒稽古/のうちゃんの灰かぐら事件/枕ドッジ/麦飯弁当/豚騒動/大蛙/どんのろ先生/運動靴と草履/戦争が よっちゃんを 奪ったのです
2部 地域での遊び(子ども三人組)
主要登場人物/野いちごとしょんべん/とんぼつり/古池/よっちゃんと遊んだこと/「祝」出征/周やん/のうちゃん/どじょうすくい/食いそこねた神様のどじょう/太陽ぎらぎら夕焼けこやけ
あとがき
映画作家・大林宣彦氏 帯文より
たとえ頭の上に爆弾が落っこちて来なくても、
戦争をしている国は悲しいのだ。
あのときあの場所にいて、みんなで生きて暮らしていた、
命の痕跡だけは伝え残しておきましょう。
尾道のみちじいさんの少年の日の物語を、あしたの日本のために。
著者プロフィール
■作:西原通夫(ニシハラ ミチオ)
1933年尾道市に生まれる。尾道市在住。
広島大学大学院博士課程前期修了(教育学)
元尾道市立土堂小学校校長
元市立尾道大学(現尾道市立大学)非常勤講師
尾道児童文学研究会「おはなしのこみちの会」会員
著書 「尾道のむかし話」(民話)など
趣味 福山奇術クラブ会員
■画:稲田善樹(イナダ ヨシキ)
1939年、中国・旧満州生まれ。稲城市在住。
04年5月、モンゴル子供権利センターより、モンゴルの子どもたちの教育に貢献したとして、ゴールドメダルを授与された。
99年「モンゴル紀行」、01年「農する人と風景」、03年「戦禍の後に(旧ユーゴスラビア)」、05年「戦後60年—消せない記憶—」、12年「輝く太陽! グアテマラを描く 二人展」などの個展を新宿紀伊國屋で開催。
□装挿画
ダシドンドク 作・大竹桂子 訳『みどりの馬』、おおたけけいこ 作『おじいちゃんの山』、宇留賀佳代子 作『ピンク色の雲』、大竹桂子 編『百のうた 千の想い』、菊池和美 作『星になりたかったハンミョウ』、おおたけけいこ 作『ゆきおばあちゃん』(いずれも、てらいんく) 他。