3153ほんとのなまえ
子ども 詩のポケット53
いとうゆうこ詩集 ほんとのなまえ
いとうゆうこ:著 菅原史也:画
四六判上製 106ページ 定価:本体1,400円+税
ISBN978-4-86261-160-4 C8392
発行:2021年2月
対象:小学校中学年~
第7回児童ペン賞・詩集賞受賞
内容
◎美しく繊細に光る言葉たちで綴られた少年詩集。44編収載。
三越左千夫少年詩賞を受賞した第一詩集『おひさまのパレット』以来の14年の詩業の精華。
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いいにおいがするので
外へでてみると
月が熟していた
口をあけて
ひかりをのみこむと
月のあじがした
――「月のあじ」より
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目次
Ⅰ ちいさなうわさ
ほんとのなまえ
月のあじ
おはなし
夢をたべる
きのうの夢
ちいさなうわさ
約束
ばくはつ
夏の魔法
おに
あめあがり
おひさまのはなし
こもりうた
おるすばん
なかなおり
赤い小鳥
Ⅱ ひかりのおと
ひかりのおと
崖の水仙
二月の聖母
春の底
降る
青い目
風の翼
空のあじさい
雨あがり
夏の風
しゃぼん玉
蹴る
あいさつにご用心
夏の散歩
町
木を飛ばす
秋の実
秋の耳
青い風船
りんご
Ⅲ 夕方ゆれる木
夕方ゆれる木
ディスタンス
ラブソング
美術館で
夢のくらげ
ペンギン
母の国
野へ帰る
あとがき
「あとがき」より
コロナを恐れて「アマビエ」の絵をあがめる人々は、縄文時代の人々と、どれほどの違いがあるでしょうか。私は自分の身の丈で物事を測る心を失ってはならない、毎日を丁寧に生きることを怠ってはならないと思いました。するとまた「詩と共に歩みたい」気持ちが募ってきました。それには、まずこの十四年間に書き留めた詩を、まとめることから始めなければならないと考えました。それ以前のものも捨てがたく、何篇か収録しました。
現代詩とか少年詩という区分は、私に関してはありません。私が現代詩ではなくて少年詩というジャンルに属しているのは、私の中に「ひとりの不機嫌な幼童神がいるから」とでも言っておきましょう。
著者プロフィール
■著:いとうゆうこ
1954年生まれ。横浜市出身。
詩誌「かもめ号」をはじめ「ネバーランド」「少年詩の学校」「ざわざわ」に詩やエッセイを発表。
第一詩集『おひさまのパレット』(2006年、てらいんく)で三越左千夫少年詩賞受賞。日本児童文学者協会会員。
■画:菅原史也(すがわら ふみや)
東京造形大学デザイン科卒・同研究課程修了。
いとうゆうこ詩集『おひさまのパレット』挿画。
個展・グループ展など。